[試合後会見]2026.3.7
波田大和。神足茂利への想いを抱えて再びリングへ

OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者の波田大和(29=帝拳)が7日、後楽園ホールで開催された「DYNAMIC GLOVE on U-NEXT 41」のメインイベントに出場。同級6位のキム・テソン(29=韓国)を迎えて3度目の防衛戦に臨んだ。
波田にとって、この日のリングは単なる防衛戦ではなかった。昨年8月、壮絶な打ち合いの末に引き分けた神足茂利(M.T)戦から217日。試合後、神足は急性硬膜下血種を発症し、帰らぬ人となった。あの日から、波田の時間は止まりかけていた。
それでも、周囲の支えと神足の存在が、再びリングへと背中を押した。この日、波田は神足のイニシャル「SK」のロゴが入ったTシャツを身にまとい、リングイン。リングサイドには神足の兄・昌冶さんの姿があった。波田は試合後、深く頭を下げて思いを伝えた。
神足との激闘から約7ヶ月。様々な葛藤を抱えながら、波田は再びリングに立った。
サウスポー波田は、慎重に距離を詰めながら左ストレートをヒット。4回、突破口を開きたいキムは、右ストレートをねじ込むが、波田はコーナーに詰めて連打でペースを渡さず。5回、波田は左ボディストレートで効かせると、左ストレートでダウンを奪取。再開後、右フックで豪快に倒して、フィニッシュに持ち込んだ。ダメージが深いキムは、担架で運ばれた。
3度目の防衛を果たした波田は試合を振り返り、「相手のストレートとフックを警戒し過ぎて前に出られなかった。ただ、冷静に戦えたのは収穫」と語った。さらに「周りの協力と応援のおかげで勝たせてもらった」と感謝の言葉を口にした。
神足さんを失った喪失感と向き合いながらの日々だった。「正直、(ボクシングを)辞めようかと思った。自分だけが時間が止まっていた。でも周りが熱くて、支えてもらった」。その言葉には、葛藤の時間を越えてリングに戻ってきた実感がにじんだ。
「やっぱり(試合後の取材は)嬉しいですね」。
その一言には、再びリングに立てた喜びと、ボクサーとして歩み続ける決意が込められていた。
一方、KO負けを喫したキムは、意識はあるものの、大事を取って病院に向かったため、会見は行われなかった。
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