[ショートインタビュー]2026.3.24
37歳の王者ぬきてるみが挑む統一戦と5度目の世界への執念

OPBF東洋太平洋女子バンタム級王者のぬきてるみ(37=真正)が、4月7日(火)、後楽園ホールで開催される「Lemino BOXING フェニックスバトル153」で日本同級王者の山下奈々(27=RE:BOOT)と王座統一戦に臨む。
昨年10月、菊池真琴(39=DANGAN)との王座決定戦を制し、タイトル奪還。世界ランキング2位につけ、5度目の世界挑戦を視界に捉えるベテランは、静かに牙を研いでいる。昼夜の二部練習を続け、人気の少ない時間帯を選んで汗を流す日々。
「形にはこだわらない。とにかく勝つ」。13年目を迎えるキャリアの重みとともに、統一戦のリングへ向かう。
ぬきてるみの言葉は、どこまでも静かだ。王座統一戦を前にしても「タイトルは意識していない」。勝ち方についても「形にはこだわらない」と断言する。だが、その冷静な低い語り口とは対照的に、内側に燃えるものは明確だ。
昼夜の二部練習を継続し、あえて人の少ない時間帯を選んで黙々と身体を追い込む。37歳という年齢を言い訳にしないどころか、経験値を精度へと昇華させる作業を続けている。
コンディショニング、距離感、打ち終わりのポジション。細部への意識が、世界ランキング2位という現在地を支えている。
2024年10月、デンマークで当時のWBC・WBO女子世界バンタム級統一王者ディナ・ソルスランドに挑戦し、判定負け。「芯に当てさせない上手さ」という表現は、世界との差を冷静に分析した結果だ。
敗北を感情論で片付けず、技術課題として持ち帰る。その姿勢が、5度目の世界挑戦を諦めない理由でもある。
今回の相手、山下奈々はストレートを軸に打ち合いを辞さないタイプ。ぬき自身も「噛み合うと思う」と語る。器用さで翻弄するのではなく、強度で押し合う展開が濃厚だ。
若さと勢いの山下に対し、経験と執念のぬき。統一戦は、キャリアの厚みが問われるリングになる。
そして最後に、ぬきは山下に向けてこう言った。「拳で語り合いましょう」。
挑発でも、演出でもない。言葉を尽くすより、リングの上で示すという覚悟の表明だ。13年目を迎えるベテランが、積み上げてきた時間と未完の夢をすべて懸けて発した一言。その重みは軽くない。
統一戦は通過点に過ぎない。だが、この一戦の内容が次の扉を開く。ぬきてるみが差し出した「拳で語り合いましょう」というメッセージに、山下がどう応えるのか。答えはリングの上にある。
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